ガラパゴス脱出中継記

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【報】ネット履歴保存の義務化は誰が得するのだろうか。

遠隔操作ウイルス事件をおぼえているだろうか。

他者のパソコンを乗っ取り、自動的に犯罪予告を行う悪質な犯罪事件だ。
ネット環境は日本では当たり前の存在になっており、誰もがその被害者になり得る。
 
導入予定のネット履歴保存の義務化であるが、目的は遠隔操作ウイルス事件のような悪質なサイバーテロ等に対しての対策案として挙げられている。
今日はネット社会の時事ネタを記載していく。
 

サイバーテロ 漂流少女

サイバーテロ 漂流少女

目的達成のためのリスク

サイバーテロ犯罪の抑止・逮捕へつなげるための目的ではあるが、ネット上では批判的な声が多々上がっている。
 
1つの理由としてはプライバシーの問題だろう。ネット履歴を保存されればその人の嗜好等駄々漏れだ。
私個人の意見だが私の嗜好が駄々漏れで晒されようと、大勢の中の一人であるためプライバシーの問題など正直どうでもいい。
ここまでのリスクを背負うことでサイバー犯罪が減り、私たちに直接的な被害が減るのであれば万々歳であるが、リスクはこれだけでは済まない。
 
2つめの理由としては個人情報の問題である。
名前や住所、生年月日は悪用される恐れがあり、それ以外に恐ろしいのがクレジットカードや暗証番号、パスワード等の個人情報が漏洩する恐れがある。
 
サイバーテロの抑止、犯人逮捕につなげる為とはいえ、少しリスクが高すぎないだろうか。
 
 

捜査簡易化の恐れ

一度遠隔操作ウィルス事件を思い出して頂きたい。
知っていると思われるが、遠隔操作事件の犯人はまだ逮捕されていないが実際にテロも起きてはいない。
実害といえば、5名もの誤認逮捕者を出してしまったという点だ。
 
誤認逮捕の一連の流れは、ログ等からIPアドレスを調べ住所特定し、任意同行からの事情聴取。
証拠はただのIPアドレスだけ、それだけであるのに2名自白させて逮捕、その他は起訴されているのだ。
 
こんな杜撰な捜査体制にネット履歴保存を義務化するだけでサイバーテロ犯罪の犯人を確実に捕まえれるとは思えない。
遠隔操作ウィルスのような事例は、感染者のネット回線を利用し感染者がアクセスしたように見せかけるため、遠隔操作のような事例は防げない。
寧ろIPアドレス+ネット履歴の証拠があり、お前が犯人に間違いない!と捜査が簡易化され誤認逮捕が増える恐れがある、まさにキチガイに刃物である。
 

労力とリターン

仮にネット履歴保存の義務化が通ったとしよう。
通信履歴はどこに保存するのだろうか、いまや日本国民の大多数が通信を利用しているのだ。そんなものを保存しようものなら、莫大なデータ量になり保管するのも大変ではないか?
仮に保管場所が確保できたとして、個人情報も相当含まれているものをどのように厳重に管理するのだろうか。
そして更に保管場所と管理体制を確立できたとして、得られるものは何であろうか。
 
実際にサイバーテロ予告を行う人間など極めて少数だ。
更に少数の大多数がただのいたずらであり、本当の予告など一握りではなかろうか。
サイバーテロにより数百人も死傷者が出ている凶悪事件であれば検討の余地もあるだろうが、ほとんどがいたずらで実害も少ないものを躍起になって取り締まろうとして
誤認逮捕により5名もの人間の人生を滅茶苦茶にしたにも関わらず、今回の法整備は犯人逮捕・追跡を目的としたものである。
その先にあるものはただの犯人逮捕という自己満足ではないだろうか?
ここまでの労力を費やしておきながら、得られるものが自己満足では話にならない。
 
私としては、真犯人逮捕等ではなく今回の事件の被害者にならない為の対策を講じたり、横暴な権利の執行を抑止するための対策を取り
一人でも多くの人間を守るべきではないだろうかと考える。
今後、サイバーテロ対策として別の方法が取られることを祈るばかりである。
 

サイバー犯罪・サイバーテロの攻撃手法と対策

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